2017年12月1日号 Vol.315

川島生誕100周年記念
4Kデジタル復元版で蘇る
「川島雄三監督 x 女優・若尾文子」


「女は二度生まれる」Women Are Born Twice© 1961 KADOKAWA


「雁の寺」The Temple of Wild Geese© 1962 KADOKAWA


「しとやかな獣」Elegant Beast© 1962 KADOKAWA


ジャパン・ソサエティー(JS)が12月2日(土)・3日(日)、川島雄三監督、若尾文子主演の3作品「女は二度生まれる」「しとやかな獣」「雁の寺」を上映する。それぞれ4Kデジタル復元版の世界初公開となる。日本語上映、英語字幕。全作品2回上映。
川島監督(19 18~63)は、若くして他界しながらも51作品を残した鬼才。この3作品は、川島監督生誕100周年に先駆けて復元された。
日本のヌーベルバーグ映画の象徴であり、今村昌平監督が助監督時代に師匠と仰いだ監督として知られる川島は、時代を先行するモダンでシニカルな作品を世に送り出した。

▼女は二度生まれる(61年、99分、白黒)
川島・若尾コンビ初の作品。原作は富田常雄の小説「小えん日記」。歌は歌えない、踊りは踊れない、芸無し芸者の小えん(若尾)は、本能の赴くまま気の向くまま。しかし、いろいろな出会いを重ねていくうちに、自身を含め人の心情に次第に気づくようになる。この作品で若尾は、キネマ旬報賞とブルーリボン賞で主演女優賞を受賞している。

▼しとやかな獣(62年、96分、カラー)
利己主義と戦後復興期を描いたブラックコメディーの傑作。全編に渡り、ほぼ東京の団地の一室のみで、物語が繰り広げられる。戦後のどん底暮らしを経験した前田一家は、ブルジョアな生活を送ろうと、両親が子供たちをあやつる。この一家を一歩上回るしたたかな女性が、敏腕経理の幸枝(若尾)だ。

▼雁の寺(62年、97分、白黒)
原作は水上勉による同名の直木賞受賞小説。雁の襖絵で名高い禅寺に、亡くなった襖絵作家・南嶽の遺言で、妾・里子(若尾)がやってくる。和尚から厳しく扱われる小坊主・慈念(高見國一)に同情した里子は、次第に慈念に近づいていく。ラストシーンだけをカラーで表現し、白黒で進むストーリー展開と、川島監督自身が絶賛したと言われる、村井博による絵画的構図を意識した撮影技法も見どころ。

●プロフィール
【川島雄三】

1918年2月4日青森県生まれ。明治大学卒業後、松竹大船撮影所監督部入社。「還って来た男」(44年)で監督デビュー。55年日活に移籍。「洲崎パラダイス赤信号」など秀作を連打し、日活での最後の作品「幕末太陽傳」(57年)は、2009年キネマ旬報オールタイム・ベスト映画遺産200日本映画トップ4に選ばれている。59年東宝系の東京映画に移籍。「女であること」(58年)「青べか物語」(62年)など多彩な作品群を発表。その合間に大映でメガホンを取った今回上映の3作品で、若尾文子をヒロインに、それぞれ毛色の違う傑作を残す。監督になった頃から筋萎縮性側索硬化症により歩行障害などがあったが、遺作「イチかバチか」(63年)公開の5日前、自宅で急死。45歳だった。

【若尾文子】
1933年東京生まれ。51年、大映第5期ニューフェイスとして映画界入り。小石栄一監督「死の街を脱れて」(52年)で銀幕デビュー。翌年溝口健二監督の「祇園囃子」で熱演し、京マチ子や山本富士子と並ぶ大映の看板女優に成長する。出演映画は260本以上。夫は建築家の故・黒川紀章。

★女は二度生まれる
■12月2日(土)2:15pm、3日(日)4:30pm
★しとやかな獣
■12月2日(土)4:30pm、3日(日)6:45pm
★雁の寺
■12月2日(土)6:45pm、3日(日)2:15pm


■会場:Japan Society
 333 E. 47th St.(bet. 1st & 2nd Aves.)
■一般$13、シニア/学生$10、JS会員$9
 3作品コンボチケット:一枚につき$2割引
■購入:ボックス・オフィス212-715-1258
www.japansociety.org


HOME