2017年10月6日号 Vol.311

地下世界に渦巻く子どもたちの悪夢
J・ティエレ新作
「カエルは正しかった」




Photos Credit:Richard Haughton


喜劇王・チャップリンの孫としても知られるジェームズ・ティエレの舞台、「La grenouille avait raison (The Toad Knew)」が、10月12日(木)から14日(土)まで、ブルックリンのBAMで上演される。ティエレ率いる「カンパニー・デュ・ハネトン(Compagnie du Hanneton)」によるもので、アート性が高い「ヌーヴォー・シルク(現代サーカス)」のスーパースターと評されるティエレ最新作だ。

「常に、少し奇妙なタイトルを考える」というティエレ。「カエルは正しかった(知っていた)」と題された同作には、ティエレの個人的な思い出が隠されている。
子どもの頃、ティエレにとってカエルは、多くの秘密を教えてくれる存在だった。彼の父は、道ばたのカエルと30分も話し込んでいる息子を見て、「Was the frog right?(カエルは正しかったか?)」と、冗談を飛ばしたという。

今回、舞台に上がるのは、ダンサー、曲芸師、ミュージシャンなどティエレを含む6人。クリーチャーによって、地下に閉じ込められた2人の「シブリングス(siblings)=性別に関係ない兄弟姉妹の意=」の物語だ。観客はティエレと共に「表面的なモノ」から階段を下り、地下世界へと入っていく。そこでシブリングスは、子ども時代の「悪夢」のようなモノに囲まれる。汚れた水槽、埃まみれのピアノ、動く監視装置は、彼らが共有する幼少期の恐怖であり、愛であり、記憶。ゴシック調の舞台で、悪魔に取り憑かれたようなパフォーマーの動きが、夢のように絡み合う。
画家サルバドール・ダリと、映画監督ティム・バートンの世界観を彷彿させる不可思議な舞台。

La grenouille avait raison(The Toad Knew)
■10月12日(木)〜14日(土)
■会場:BAM Howard Gilman Opera House
 Peter Jay Sharp Building
 30 Lafayette Ave., Brooklyn
■$25〜
■時間:約90分
www.bam.org


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