2017年08月11日号 Vol.307

テロリズムが題材「ノクトラマ」と
ボネロ監督の心を覗く7作品
「ディーパー・イントゥ・ノクトラマ」


Nocturama, directed by Bertrand Bonello


Full Moon in Paris (courtesy Film Movement)


The Brood (courtesy New World Kobal REX Shutterstock)


Close-Up (courtesy Janus Films)


The Devil, Probably (courtesy Film Desk Olive FIlms)


リンカーンセンターのウォルター・リード・シアターで8月11日(金)から、ベルトラン・ボネロ監督の「ノクトラマ」(邦題:ノクトラマ 夜行少年たち)の上映が始まる。昨年、世界各地の映画祭で発表された同作は、国境を越えて高く評価され、「挑発的」だと話題になった。
続いて、8月18日(金)から24日(木)まで、ボネロ監督が選んだ作品を上映する「ディーパー・イントゥ・ノクトラマ」が開催。「ノクトラマ」制作中に、監督の「心の中」にあった作品7本を紹介するもので、「ノクトラマ」を、さらに深く知るための鍵となる。

「ノクトラマ」の舞台はパリ。午後2時過ぎ、「共通の目的」を持った青年たちが、パリ各所で行動を開始。各自目的を実行し、午後7時に営業後のデパートに集合する。午後7時15分、さまざまな場所で爆発が起きるのを見届ける青年たち。その目的は「同時多発テロ」だった。彼らは人気の無いデパートで、テロ成功を祝うのだが…。「テロリズム」を題材に、現代社会を生きる人間の心理を捉えた異色作。

「ディーパー・イントゥ・ノクトラマ」は、フランス恋愛喜劇の巨匠、エリック・ロメール監督の「満月の夜」で開幕する。パリ郊外で同棲生活を送る若い娘の恋愛がテーマ。
エログロ・カルトの代表ともいえるデヴィッド・クローネンバーグ監督の「ザ・ブルード 怒りのメタファー」。人間の怒りや不安などを、少女の腹部にできた腫瘍に還元しようと試みる精神科医。蓄積された「負の感情」は、やがて少女の腹を破って生まれてくる。
イランのアッバス・キアロスタミ監督の「クローズ・アップ」は、貧しい青年が「自分は有名監督だ」と偽り、詐欺罪に問われたという実話をベースにしたセミ・ドキュメンタリー。
「ツイン・ピークス ローラ・パーマー最期の7日間」は、デヴィッド・リンチ監督の大ヒット・テレビシリーズ「ツイン・ピークス」のプロローグとして映画化された作品。リンチ監督らしい不可思議な世界が展開される。
フランス映画の巨匠、ロベール・ブレッソン監督の「たぶん悪魔が」は、上流階級の青年が主人公。頭脳明晰ゆえに、政治、宗教、環境、自身の恋愛に対してですら懐疑的だった青年は、やがて自殺願望に囚われていく。
B級映画の巨匠、ジョン・カーペンター監督の「ジョン・カーペンターの要塞警察」。ギャングに娘を殺された男が一味の一人を射殺、警察署へ逃げ込む。仲間を殺されたギャングが警察署へ押し寄せ、熾烈な攻防戦が展開される。
ハワード・ホークス監督の「リオ・ブラボー」は、保安官と仲間たちが、ギャング一味と戦う西部劇。前述の「ジョン・カーペンターの要塞警察」は、ホークス監督のファンだったカーペンター監督が、「リオ・ブラボー」の設定を現代へ変更、オマージュとして制作した。

Nocturama
■8月11日(金)から

Deeper Into Nocturama
■8月18日(金)〜24日(木)
■会場:Walter Reade Theater
 165 W. 65th St.
■$14、学生/シニア$11
 メンバー$9
www.filmlinc.org

★上映リスト(カッコ内は邦題)
○Full Moon in Paris(満月の夜)
 8/18、8/24
○The Brood(ザ・ブルード 怒りのメタファー)
 8/18、8/22
○Close-up(クローズアップ)
 8/19、8/23
○Twin Peaks: Fire Walk with Me
 (ツイン・ピークス ローラ・パーマー最期の7日間)
 8/19、8/23
○The Devil, Probably(たぶん悪魔が)
 8/20、8/22
○Assault on Precinct 13
 (ジョン・カーペンターの要塞警察)
 8/20、8/21
○Rio Bravo(リオ・ブラボー)
 8/21、8/24


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